翌朝、宿を出発し早馬神社まで歩く。この日は気仙沼大島でまで行きそこで一泊する予定だったが、大島中の宿泊施設から満室等を理由に断られたため、気仙沼大島は一旦スルーし、先に気仙沼市魚市場のあたりまで進もうと考えた。気仙沼大島までは次の日にバス等で移動するつもりだった。
この日はほとんど舗装路を歩いた。早馬神社から西に進み、舞根湾を越え西舞根という地域を進んでいく。このあたりは山の中といった感じだ。
途中、海の方に行く分岐があり、その先には九九鳴き浜という名所がある。砂浜を歩くと音が鳴るいわゆる鳴き砂の一種で、クックッと鳴くことから九九鳴き浜と呼ばれるようになったらしい。興味はあったが九九鳴き浜まで少し距離があったため今回は寄らなかった。そういえば以前歩いた八戸の大須賀海岸も鳴き砂で有名な場所だったが、私が歩いた時は砂が鳴っているのを聞くことができなかった。砂が鳴るには気象条件等様々な条件があると思うが、一度は聞いてみたいものだ。
しばらく歩いていると前方右手の繁みからカモシカが現れた。
道路を横断して左手の林の中に入った後、立ち止まってこちらを見ていた。
カモシカには今までに何度も遭遇したことがあったが、他の野生動物とは違い一目散には逃げずに、ある程度の距離を取った後はこちらを観察するような行動を取る。好奇心の強い動物らしく、中にはこちらを気にしながら食事を始める個体もいる。こいつも私が立ち去るまでずっとこちらを見ていた。
早馬神社から7km程歩くと気仙沼大島大橋に着く。この橋を渡れば気仙沼大島に行けるが、この日は橋を渡らず気仙沼市魚市場の方へ進む。
続く。