みちのく潮風トレイル歩行録

八戸~仙台まで歩きました。 みちのく潮風トレイルを歩いた時の思い出を、当時の記録や記憶を頼りに書いていきます

岩手県大船渡市 羅生峠~潮目

 羅生峠からの下りは、鍬台峠とは違い道に迷うことはなかった。途中、ベンチや椅子が設置されていて、休憩するのにいい。

 峠を下りた先は、越喜来という集落に出る。越喜来は「おきらい」と読む。登った時と同じく、鹿除けのゲートを通った所に草刈り作業の途中で休憩している地元の男性二人がいた。
 つい先ほどもあなたのようなハイカーがここを通っていったよ、と言っていた。石塚峠で出会ったあのハイカーさんで間違いない。その後も色々と話をしたが、今通ってきた羅生峠はかつて国道のような役割をしていた道で、車や路線バスも走っていたという話を聞くことができた。道理で歩きやすかった訳だ。他にも、岩手県沿岸南部ではニホンジカが増え、農業等に被害が出ており、このあたりでも去年だけで何百頭駆除したとかいう話もしていた。

 この後は三陸鉄道三陸駅の方に向かうが、その途中の神社に三陸大王杉という巨木が生えている。写真に収めようとしたが、あまりにも大きすぎてうまく撮影できなかったので写真は無い。
 そして三陸大王杉のすぐ近くにはど根性ポプラ広場という公園のような場所がある。

 写真中央に一本だけ生えている木がど根性ポプラ。東日本大震災津波にも耐えて残った。津波に耐えた木というと陸前高田市の奇跡の一本松が有名だが、他にも同じような木があったとは知らなかった。もっとも、私が知らないだけでこの他にもたくさんあるのかもしれない。奇跡の一本松は震災後すぐに枯れてしまったが、このど根性ポプラは今でも元気に立ち続けている。三陸大王杉もすごいが、こいつも中々の生命力だ。

 ど根性ポプラ広場を出発。この日は三陸駅近くのとまり荘という宿を予約した。とまり荘は元々別の場所で民宿を営んでいたが、震災後場所を移動したらしい。詳しい場所は分からなかったが、予約の電話をした際、三陸駅近くに来たら電話して下さいと言われていた。
 ※ネットで調べたところ現在は別の(元の?)場所に移ったようです

 時間は15時過ぎくらいだったと思う。宿に行くまでまだ時間はあるので、潮目に行ってみようと思った。石塚峠で出会ったハイカーさんは、三陸駅前にあって目立つ建物だからすぐ分る、と言っていた。余程特徴的な建物なのだろうか?そう考えながら歩いていると、三陸駅に向かう道路と県道9号線が交差するあたり、ついに発見した。


 続く。