石塚峠には七里塚と案内板が設置されている
〇里塚は東海道等の旧街道に設置された旅人のための距離を示す、現在でいうキロポスト。
この道が昔は生活の道だったことが分かる。
三陸浜街道は八戸から気仙沼まで続いていたが、現在でも旧街道が残っているのはここを含めて一部だけらしい。
ちなみに石塚峠から今来た方(釜石市街地方面)を振り返ると、釜石大観音が小さく見える。写真を撮ったはずだが、探しても見つからなかった。
峠からは本郷という集落の方に下りていく。途中で倒木があったり、一部、道が崩れて通りずらい場所もあった。集落に着く手前で、前方に人を発見した。私と同じ集落の方へ歩いている。ハイカーかと思ったが、地元の人かもしれない。そんなことを思っているうちに姿を見失った。
そのまま歩くと本郷集落の道路に出た。出てすぐの所にさっきの人が立って地図を確認している。服装から見てハイカーらしい恰好をしているし、手には旧マップを持っている。私がトレイルルート上で初めて出会ったハイカーだった。向こうも私に気付き、互いに挨拶と自己紹介が始まる。その後しばらくトレイルの話で盛り上がる。
その人は八戸市在住の方で、私と同じくセクションハイクで南下中のハイカーだった。話の中で、あなたも潮目に行くのか?と聞かれ、潮目?となった。聞くところによると、この先の三陸鉄道三陸駅前には、地元の人が作った潮目というハイカーに対して無料で開放されている宿泊もできる休憩施設があると言う。
海外のロングトレイルでは、ハイカーに対し食事や宿泊場所を提供してくれる地元の人が多く存在し、そういったハイカーを歓迎してくれる人達のことをトレイルエンジェルというのは知っていた。しかし、みちのく潮風トレイルにもそういう人がいることを初めて知った。
八戸市在住のハイカーさんは、その潮目を拠点にし、このあたりを歩いているそうだ。他にも、facebookにみちのく潮風トレイルのコミュニティがあることを教えてくれた。
私は今まで一人で歩いていたし、周りにトレイルの話ができる人がいなかったので(私にトレイルのことを教えてくれた当時の上司は転勤してしまいもう居なかった)こういった情報は初めて聞くものばかりだった。
そういった話をしながら本郷集落の津波石碑のあたりまで歩いた。
続く。